大分県の北東部、國(guó)東半島の南部に広がる大分県杵築市。東に伊予灘、南に別府灣の美しい海岸線を有する海沿いのまちに、ロイヤルシティ別府灣杵築リゾートはあります。車で約8分（約4.7km）のところにある杵築市の市街地には、坂道に囲まれた珍しい城下の町並みが殘っています。中でも印象的なのは、急角度の坂が向かい合う風(fēng)景です。
その昔、海に面して築城された杵築城を中心に據(jù)え、南北の高臺(tái)に當(dāng)時(shí)の武士たちが屋敷を構(gòu)え、その谷間で商人たちが暮らしていました。武家屋敷と商人のまちを結(jié)ぶ坂は、北の「酢屋の坂」に南の「塩屋坂」。石畳でできたふたつの坂が一直線狀に向かい合う景色は、杵築獨(dú)特のものです。高臺(tái)の武家屋敷を歩いていると、土壁が続く町並みや藁葺き屋根の家老屋敷、急に広がる竹林など貴重な景観と巡り合います。「勘定場(chǎng)の坂」「番所の坂」「寺町」「家老丁」などの地名からも城下町の名殘を感じ、國(guó)東半島の政治経済の中心地といわれた舊杵築藩時(shí)代に、思いをはせることができます。

時(shí)を止めたかのような、城下町の町並み

白壁の塀の向こうにたたずむ杵築カトリック教會(huì)

まちの歴史を見守る杵築城

杵築城は室町時(shí)代初期、1394年に築城。北に高山川、南に八坂川、そして東を守江灣に囲まれた天然の要塞です。「日本一小さい城」ともいわれる杵築城ですが、戦國(guó)時(shí)代には島津家の大軍の猛攻から２カ月間にわたって耐え抜き、撃退したことから別名「勝山城」とも呼ばれています?，F(xiàn)在建っているのは模擬天守ですが、城跡にそびえる三層の天守閣は、江戸時(shí)代初期の城郭の実態(tài)を知る上でも重要と位置付けられ、2020年（令和2年）3月に杵築城跡と麓の藩主御殿跡が國(guó)の史跡に指定されました。

守江灣を望む高臺(tái)に築城された杵築城

世界農(nóng)業(yè)遺産のまち、獨(dú)特の景色

市街地から、少し足を伸ばしてみましょう。大分県には、沈下橋（沈み橋）が多數(shù)現(xiàn)存しているといわれています。大昔の阿蘇大噴火によって溶結(jié)凝灰?guī)rが堆積し、広くて淺い谷底（こくてい）平野という獨(dú)特な地形に。農(nóng)地と川床の高低差が少ないため、橋も増水時(shí)には水面下に沈みます。田園広がる杵築市山香町には、日本最古の石造沈下橋（沈み橋）「龍頭橋」が殘り、橋のたもとに平らな川床が見え隠れする獨(dú)特な風(fēng)景を描いています。

杵築市の隣、豊後高田市の山間には、1200年もの歴史を持つ荘園「田染荘（たしぶのしょう）」が殘っています。山々に囲まれた中で美しい曲線を描く水田は、もともとの土地の地形を利用してつくられたもの。宇佐神宮の根本荘園のひとつで、昔のままの姿が守り続けられるのはここ、小崎地區(qū)のみです。2010年（平成22年）に國(guó)の重要文化的景観に選定され、2011年（平成23年）12月にはユネスコ未來(lái)遺産に登録。さらに2013年（平成25年）5月には國(guó)東半島を含む一帯が、世界農(nóng)業(yè)遺産に認(rèn)定されました。

743年の墾田永年私財(cái)法の成立により、多くの農(nóng)民や宇佐神宮が盡力。うっそうとした原野から「田染荘」がつくられ荘園として栄えた

神秘を感じる、杵築の水辺

「六郷満山」と呼ばれる神仏習(xí)合文化が形成された國(guó)東半島。半東南部の杵築にも、さまざまな伝説や獨(dú)特の風(fēng)景が殘っています。
山香町の「羽門（うど）の滝」は落差約12mの小さな名爆。ひんやりと澄んだ空気に包まれる中、苔（こけ）むした巖をたたく白い滝の様子からか、白竜が潛むといわれる秘境の滝です。

羽門の滝は、杵築市を流れる八坂川の支流「松尾川」上流にある

別府灣の遠(yuǎn)淺の浜辺、奈多海岸の美しい松林の中には、「八幡奈多宮（はちまんなだぐう）」が海に面して鎮(zhèn)座しています。鳥居から海に向かって見えるのは、沖合約300mの市杵島（いちきじま）の巖礁に建てられた小さな鳥居。ここが古くから比売（ひめ）大神を祀る元宮とされ、まさに「海そのものが參道」です。朝日に照らされ海に鳥居の影が浮かぶ様子は、とくに幻想的といわれています。

小さくても存在感を放つ、八幡奈多宮の鳥居