ものづくりの最前線で技術(shù)者として現(xiàn)場(chǎng)をリード

岸野：施工管理は、一般に現(xiàn)場(chǎng)監(jiān)督と呼ばれる仕事です。作業(yè)著?ヘルメット?安全靴を身に著け、お客さまとのお約束どおりにお引き渡しできるよう、現(xiàn)場(chǎng)の品質(zhì)?安全?工程?原価を管理します。
まさに、ものづくりの最前線にある仕事です。設(shè)計(jì)図に込められたお客さまや設(shè)計(jì)士の思いをくみ取り、一つ殘らず形にしていき、時(shí)にはそれ以上のものに仕上げていく力量と、技術(shù)者としての提案力が求められます。もともと、建築に攜わるのが夢(mèng)で、阪神?淡路大震災(zāi)の経験から、大學(xué)では耐震工學(xué)を?qū)Wびました。入社してすぐの頃は、経験も知識(shí)も十分でなく、必死にもがきながら勉強(qiáng)を重ねる日々でした。今では、技術(shù)者として得た知識(shí)と経験が、ものづくりに向き合う同志をつなぎ、現(xiàn)場(chǎng)の信頼関係と高いモチベーションにも生かされていると感じます。

技術(shù)者、リーダー、そして女性という共通點(diǎn)

籔：私はもともと技術(shù)者として長(zhǎng)年、洗濯機(jī)の商品開発に従事してきました。ななめドラム洗濯乾燥機(jī)の開発では、商品企畫チームリーダーとして、開発、調(diào)達(dá)、生産、営業(yè)まで、さまざまな職種の人たちをまとめてきたという點(diǎn)で、岸野さんと共通するところがあります。私が就職したのは、まだ男女雇用機(jī)會(huì)均等法が制定される前で、多くの企業(yè)で女性の大學(xué)卒の採(cǎi)用枠が存在しませんでした。それでも、これからの洗濯機(jī)の開発には女性技術(shù)者が必要だと請(qǐng)われて、大學(xué)の研究室にいた私に聲がかかり、入社することになったのです。技術(shù)者としても、管理職やプロジェクトリーダーに昇格するときも、事業(yè)部の中で常に「女性初」でした。女性が少ない企業(yè)環(huán)境で仕事をしてきた、という點(diǎn)でも、岸野さんと同じです。

「女性だから」ではなく「私だから」の精神で仕事をする

岸野：私が入社した13年前、まだ建設(shè)現(xiàn)場(chǎng)は男性ばかりで、初めて女性の工事?lián)?dāng)を部下に持った上司?先輩方も戸惑われたと思います。それでも、まずは自分がどうなりたいか、どうしたいか、どういう思いで仕事をしていきたいかを大事にしてきました。そうやって経験を積んでいけば、どんな職種でも、どんな仕事でもできるようになる。「女性だから」できない、という仕事はないと思います。一方で、「女性だから」注目される、ということもよくあります。でも私自身は、「女性だからではなく、私だからですよ」と、自信を持って言えるような仕事ができていればいいと思うんです。だからこそ、いつも「人に誇れる仕事ができたか」と自問しています。

「違い」から価値を生み、「違い」をまとめるチームワークの重要性

籔：とても共感します。これまで當(dāng)社の技術(shù)職は男性の世界で、いろいろなことが男性のやり方や枠の中で進(jìn)んできたのでしょう。そこに岸野さんが入ることで、お客さまや従業(yè)員にとって本當(dāng)にそのやり方がベストなのか、初めて気付かされることがある。私は、やはり男性と女性には生物學(xué)的な違いもあり、また私たちには性別に限らず、世代や専門性、あるいはプライベートな環(huán)境なども含め、それぞれに「違い」があります。そして、こうした「違い」に基づいた異なる価値観にのぶつかり合いの中からしか、新しいアイデアや新たな価値は生まれてこないとも思います。お客さまが期待しているものを、それ以上のものにして返す、というのが技術(shù)者の心情としてありますが、具現(xiàn)化するには、さまざまな役割を擔(dān)う多様な人々のチームワークが必要です。多様なチームのマネジメントは、女性のほうが向いている部分があるとも感じます。ダイバーシティ&インクルージョンとは、企業(yè)組織において、違いを強(qiáng)みに変えることだと思います。

「きれいな現(xiàn)場(chǎng)で仕事をしたい」思いと行動(dòng)が周囲を変えた

岸野：入社して間もない、まだ技術(shù)も経験も信頼関係もない頃、とにかく私にできることをやろうと思い、よく現(xiàn)場(chǎng)の片付けや掃除をしていました。どうしても、現(xiàn)場(chǎng)は汚いものというイメージがありますが、それは前提ではなく、いくらでもきれいに快適にできる、と考えていたからです。続けるうちに、だんだんと職人さんやみんなも汚さないよう意識(shí)してくれるようになりました。みんながきれいな現(xiàn)場(chǎng)の快適さに共感して自然にそうなったのだと思います。違うと思ったことを行動(dòng)に移すことで、今までの先入観を解放して、変化を起こせたのかも、と振り返ってみて思います。

きれいな環(huán)境は現(xiàn)場(chǎng)の安全?品質(zhì)向上につながる

籔：それはすごいですね。まさに岸野さんの行動(dòng)は、建物の品質(zhì)や現(xiàn)場(chǎng)の安全につながっていくものです。工場(chǎng)などでも、きれいに整理整頓された環(huán)境にしておかないと、不良品ができてしまうということは自明の理です。岸野さんの行動(dòng)を見て、現(xiàn)場(chǎng)で働くみなさんも、そうした重要性に改めて気が付かれたのでしょう。ダイバーシティがもたらした価値の好事例です。

建設(shè)業(yè)における女性活躍のリーディングカンパニーとして

籔：岸野さんのように、女性が少ない職種への積極配屬をはじめ、仕事と育児との両立支援や女性管理職を増やすダイバーシティへの取り組みが評(píng)価され、大和ハウス工業(yè)は內(nèi)閣府による「女性が輝く先進(jìn)企業(yè)2020」として表彰されました。これは本當(dāng)に素晴らしいことです。今、世の中の先行きは非常に不透明で、私たちは數(shù)々の社會(huì)課題を抱えています。日本では少子高齢化による労働力不足があり、特に建設(shè)業(yè)界で深刻（注）です。こうした変化や困難に適応し、ばねのように跳ね返す力を使って飛躍していけるような、レジリエントでしなやかな組織を創(chuàng)るには、多様な人々が意思決定の場(chǎng)に參畫することが重要です。街づくり、住まいづくりという社會(huì)インフラを擔(dān)う當(dāng)社には、女性活躍をリードする使命があると思います。今後、継続的な女性管理職登用やリーダーの人財(cái)育成がダイバーシティ深化への課題ですが、大和ハウス工業(yè)には、その大きなポテンシャルがあると感じています。

注：「令和元年版　労働経済の分析　－人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について－」厚生労働省, 2019年, p81. https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-1_01.pdf

「変革者」となるために、まずは管理職を目指したい

岸野：今はまだ現(xiàn)場(chǎng)管理や後輩指導(dǎo)など、身近な範(fàn)囲でのマネジメント経験を積んでいる段階ですが、將來は、より良い住まいづくり、街づくりのために、もっと広い視野で変えるべきことがあれば「変える」という意思決定ができる立場(chǎng)を目指したいです。そのために、まずは管理職を経験し、その上で技術(shù)を磨き、建設(shè)業(yè)界全體が良い方向へ進(jìn)むように貢獻(xiàn)できればと思います。大和ハウス工業(yè)は一人ひとりの「こうなりたい」「こうしたい」という思いに必ず応えてくれる會(huì)社です。社員同士も、協(xié)力會(huì)社の方々も、それぞれの思いの実現(xiàn)に向けて、お互いに協(xié)力しながら、みんなで創(chuàng)っていく団結(jié)力があります。そうやって共に経験を積みながら私自身も成長(zhǎng)し続けていきたいと思います。

幸運(yùn)とは、準(zhǔn)備と機(jī)會(huì)がめぐり合うこと

籔：管理職になる機(jī)會(huì)があったら、ぜひつかんでください。それまでにしっかり準(zhǔn)備をしておいて。幸運(yùn)の女神は前髪しかない、といわれるように、その時(shí)につかまなければチャンスは逃げていきますから。女性の場(chǎng)合は、良いオファーがあっても、100％自分がそれをやれる自信がないと受けない、自己肯定力が低いところがあるように感じます。半分ぐらいやれる自信があったらポジティブに捉えてやるべきだと思うんです。駄目だったらまた次のやり方を考えたらいいし、引き返せばよいのです。ぜひ、そういう形で自分の幅を広げ、ストレッチできるようなキャリアを積み重ねていっていただきたいと思います。

建設(shè)業(yè)界における女性活躍の意義とは、長(zhǎng)年の現(xiàn)場(chǎng)の當(dāng)たり前が変わるきっかけとなり、働く人それぞれの持ち味を生かすことで、安全と品質(zhì)がさらに向上すること