コラム No.169CRE戦略として、不動(dòng)産を戦略的に活用し企業(yè)価値を向上させる「等価交換」
公開(kāi)日:2025/08/29
企業(yè)として事業(yè)用不動(dòng)産を保有しているものの、施設(shè)が老朽化したり、利活用されていなかったりする不動(dòng)産をどう処理すればいいのか、悩みを抱えている企業(yè)も少なくないでしょう。
國(guó)土交通省の「令和5年法人土地?建物基本調(diào)査」を見(jiàn)ても、全國(guó)の法人のうち27.6%の企業(yè)が土地と建物両方を保有、建物は38.1%の企業(yè)が保有していますが、法人が所有している建物の建築時(shí)期をみると、最も多いのが1991年から2000年の10年間に建築されたもので21.5%、次いで1981年から1990年の20.6%。1981年から2000年に建築された建物が法人所有する建物の4割以上を占めています。
遊休不動(dòng)産は當(dāng)然のこと、老朽化し生産性が低下している事業(yè)用不動(dòng)産は、管理?メンテナンスの費(fèi)用や固定資産稅などの負(fù)擔(dān)が大きく、経営にマイナスになるケースもあります。さらに、単に解體するだけでも費(fèi)用負(fù)擔(dān)が大きいと思われる不動(dòng)産を保有する企業(yè)もあるでしょう。
特に、都市部の老朽化した建物や未利活用の土地は、本來(lái)持つ不動(dòng)産の価値が活かされていない可能性が高く、企業(yè)の収益性にも大きな影響を與えています。
しかし、不動(dòng)産の利活用や建て替えなどは、大きな資金、費(fèi)用がかかるため、安易に決斷できることでもありません。そこで考えられるひとつの方法が、「等価交換」という手法です。不動(dòng)産を単に売卻するのではなく、資産として保有しながら、しかも資金負(fù)擔(dān)を最小限に抑えながら、新たな価値を生む資産として生まれ変わることが可能になる仕組みです。
等価交換とは
不動(dòng)産の等価交換とは、別のオーナーが保有する土地にデベロッパーが建物を建て、竣工後に土地の一部と建物の一部を等価で交換する方法のことです。下記の図のようになります。
図

多くの等価交換のケースとしては、デベロッパーが建物資金を負(fù)擔(dān)して建物を建築します。このとき、土地オーナーが土地を貸すだけだと借地事業(yè)となり、地代だけを得るだけのビジネスになりますが、等価交換では竣工後に建物の一部と土地の一部を等価で交換します(所有権の割合は、土地価格と建築費(fèi)のバランスで決まります)。つまり、土地の価値の一部と建物の価値の一部を交換することで、土地オーナーとデベロッパーの両方が土地と建物の所有者になるわけです。
これを企業(yè)が保有する不動(dòng)産にも応用することで、企業(yè)が抱える遊休不動(dòng)産や収益性の低い事業(yè)用不動(dòng)産の問(wèn)題解決につながる可能性があります。
たとえば、使用していない建物が建つ土地や、老朽化し収益の出ない賃貸住宅を保有している場(chǎng)合など、等価交換の仕組みを使って新築マンションを建築し、マンションの一部所有権を取得することができれば、新たに賃貸収入を得ることができます。駅に近い利便性の高い土地であれば、ホテルや商業(yè)施設(shè)を建設(shè)することで、収益性の高い不動(dòng)産へと変わる可能性もあります。また、郊外でも高速道路のインターに近い不動(dòng)産であれば、昨今ニーズの高い物流施設(shè)へと用途転換することも可能でしょう。広大な土地でなくとも、隣接地との調(diào)整がつけば、大きな施設(shè)を建設(shè)することも考えられます。保有する土地に自社ビルを建てている場(chǎng)合も、等価交換の仕組みを活用することでより大きなオフィスビルを建て、自社で利用する分以外は賃貸オフィスにすることも考えられます。
少ない資金で不動(dòng)産を活用可能
等価交換の最も大きなメリットのひとつは、資金が少ない場(chǎng)合でも資産価値を移転できることにあります。保有する土地の価値は変わらないかもしれませんが、デベロッパーが新たな施設(shè)をつくることで、將來(lái)価値を生み出す不動(dòng)産に変わることになります。つまり、土地オーナーは、開(kāi)発のリスクを負(fù)うことなく、不動(dòng)産を活用できます。
等価交換を行うことで、土地オーナーは所有不動(dòng)産の一部権利を失うことになりますが、建物の一部の権利を所有することができます。土地価格と建築費(fèi)用の関係にもよりますが、これまでコストばかりかかっていた土地が収益を生む資産に変わることも可能となります。
何より、デベロッパーからの提案によって、自分たちだけでは出なかったアイデアが出てくる場(chǎng)合もありえますので、資産の有効活用という點(diǎn)でも有力な方法といえるでしょう。
合意形成には注意が必要
適切に進(jìn)めば、メリットの多い等価交換の仕組みですが、必ず土地オーナーの希望通りには進(jìn)むことが少ないことには注意が必要です。まず、どのような土地でも等価交換の仕組みが使えるわけではなく、土地オーナーが処理したい不動(dòng)産とデベロッパーが望む土地では、乖離があることも少なくありません。土地の価値と完成後の権利を交換するわけですから、不動(dòng)産の適正な価値の評(píng)価や等価交換時(shí)の権利の調(diào)整は時(shí)間がかかることが予想されます。また、実際に開(kāi)発を進(jìn)めるのはデベロッパーであるため、デベロッパーの開(kāi)発意向が優(yōu)先されることも多く、土地オーナーの希望通りに進(jìn)まない可能性が高いことには注意が必要です。
等価交換は、少ない資金で土地を有効活用できる手段のひとつであることには間違いありませんが、等価交換をうまく進(jìn)めるためには、保有する土地の特性や將來(lái)的な市場(chǎng)動(dòng)向を吟味し、自社の戦略にマッチした選択肢を探す必要があります。
そして、不動(dòng)産の等価交換の仕組みは簡(jiǎn)単ではなく、専門(mén)的な知識(shí)も必要となりますので、信頼のおけるデベロッパーは當(dāng)然として、第三者としての専門(mén)家や経営パートナーに相談しながら進(jìn)めることも大切なことです。



