コラム vol.323
2020年1～3月の不動(dòng)産市況から今後を読み解く
公開日：2020/04/30
POINT!
?2020年2月の住宅著工件數(shù)は、前年同月より大きく落ち込んだ
?東京?大阪のオフィスの空室率が上昇し始めている
?不安定な金融市場では、安定感のある不動(dòng)産投資、特に賃貸住宅への投資が再認(rèn)識(shí)される
2月分の住宅著工件數(shù)は？
注目されていた2020年2月分の住宅著工件數(shù)が、3月末に発表されました。
國土交通省の「建築著工統(tǒng)計(jì)調(diào)査報(bào)告」によると、2月分の住宅著工件數(shù)は、総數(shù)が63,105戸（前年同月比87.7％）、持ち家が19,557戸（前年同月比88.9％）、貸家が22,638戸（前年同月比81.1％）となり、昨年に比べて大きく落ち込む結(jié)果となりました。
しかし、2020年1月と比べると、総數(shù)は＋4.6％、持ち家は＋8.4％と増え、貸家は－6.2％となりました。また、2020年に入り、公的資金による住宅建築は、大きく減少しています。2019年は少ない月でも7,500戸以上（最高は8,378戸）ありましたが、2020年は6,000戸臺(tái)が続いています。
2020年4月現(xiàn)在、各住宅関連企業(yè)は営業(yè)活動(dòng)に歯止めがかかっていますので、3月以降、特に4月、5月はかなりの落ち込みが予想されます。
しかし、これまでの日本や先進(jìn)各國の実例から、住宅建築?住宅購入需要は一定數(shù)あり、それらは溜まっていくとされています。
つまり、たとえ一時(shí)期大きく落ち込んでも、早晩、著工數(shù)は戻ってくると思われます。
ちなみに、この逆の原理が、消費(fèi)稅増稅前の駆け込み需要による著工數(shù)の急増です。これは、「需要の先食い」ということです。今起きているのは、「需要の先送り」ということになります。
オフィス市況は？
オフィス仲介大手の三鬼商事の公表資料によると、3月はオフィスビルで空室が少し増えてきたようです。
東京都心5區(qū)（千代田區(qū)、中央?yún)^(qū)、港區(qū)、新宿區(qū)、渋谷區(qū)）の平均空室率は1.50％（前月比0.01ポイント上昇）となり、9ヵ月ぶりに空室率が上昇しました。また、大阪ビジネス地區(qū)の平均空室率は2.00％（前月比＋0.06ポイント）で、空室率が上昇し始めているようです。
リモートワーク導(dǎo)入の推進(jìn)による「働き方の変化」がオフィスビル市況にどのような影響を與えるのかが注目されます。數(shù)字に変化がみられるとすれば夏以降だと思いますが、市況もさることながら、なかなか進(jìn)まなかった「働き方改革」が、思わぬ要因によって進(jìn)行することになるかもしれません。
資産の組み換えが起こる？
「資産管理」には、「資産3分割の原則」といわれる格言があります。資産を、株式などの金融資産、不動(dòng)産、現(xiàn)金の3つに分けて所有するというものです。
株式（金融資産）はハイリスクハイリターン、不動(dòng)産はミドルリスクミドルリターン、現(xiàn)金（國債?MMFなど含む）は安定というそれぞれの特徴があります。ここ2年くらい株価は比較的安定していましたので、2020年2月下旬以降のように大きく上げ下げすると、動(dòng)揺も大きくなります。
土地活用?不動(dòng)産投資を行っている方と話をすると、最近の株式相場の亂高下で「やはり、株式投資はリスクが大きい。不動(dòng)産投資のほうが、安定感がある」と感じた方も多いようです。こうした背景を踏まえれば、株式資産から不動(dòng)産関連資産への資金移動(dòng)が予想されます。
住宅投資の安定感
不動(dòng)産投資のすべてが安心かというと、一概にそうとはいえません。
不動(dòng)産賃料を裏付けとした金融資産であるJ-REITには、オフィスビル中心のもの、賃貸住宅中心のもの、ホテル中心のもの、商業(yè)施設(shè)中心のもの、物流施設(shè)中心のもの等があります。J-REITは、ここに來てだいぶ戻りましたが、2月末ごろから全面的に暴落狀況が続きました。REIT価格の推移を見ると、大幅値下がり期でも下げ幅が小さく済んでいるのが、「賃貸住宅中心のREIT」です。一方、ホテル、商業(yè)施設(shè)?オフィスビル系の落ち込みはとても激しいものでした。こうした事実を見ても、住宅への不動(dòng)産投資は、他の不動(dòng)産投資に比べて安定感があります。
賃貸住宅への投資、土地活用投資は、昨今のように金融資産が不安定な狀況下では、「安定感がある投資」であることが再認(rèn)識(shí)されることでしょう。
