いつも聞かれる、「持ち家か賃貸か？」

「持ち家（所有）か賃貸住宅（賃借）か？」平成２年ごろまでは、持ち家志向が當(dāng)たり前の時(shí)代でした。しかし、平成3年から始まるバブル崩壊以降は、「持ち家派」と「賃貸派」に徐々に分かれるようになりました。これに呼応するように、不動(dòng)産専門家やお金の専門家であるファイナンシャルプランナーなどが、この議論にコメントするようになり、専門家の見(jiàn)解も分かれています。

土地問(wèn)題に関する國(guó)民の意識(shí)調(diào)査について

「住宅の所有意思」に関する調(diào)査はいくつかあり、國(guó)土交通省が年に1度調(diào)査している「土地問(wèn)題に関する國(guó)民の意識(shí)調(diào)査」の調(diào)査項(xiàng)目にもあります。この調(diào)査は、平成5年度から始まり、この類の公的機(jī)関が行う調(diào)査としては比較的歴史が淺いため、まだなじみが薄いかもしれませんが、多岐にわたってアンケートを行っています。

令和3年6月に、「令和2年度の土地問(wèn)題に関する國(guó)民の意識(shí)調(diào)査」（注：調(diào)査期間令和2年12 月3日～24日、これまでの対面聞き取り調(diào)査から、今回は郵送による調(diào)査に変更。全國(guó)から抽出された20歳以上の男女3,000人が対象者）の調(diào)査結(jié)果が公表されました。今回のコラムでは、住宅についての「所有と賃借の志向」という項(xiàng)目にフォーカスして解説してみたいと思います。

持ち家志向は、調(diào)査史上最低の數(shù)字に

「土地＋建物を所有したい」つまり持ち家を志向している方の割合は、選択項(xiàng)目の中で最も多かったものの、平成5年度の調(diào)査開(kāi)始以來(lái)最低の68.3％でした。このところ70％臺(tái)前半が続いていた數(shù)値が、今回の調(diào)査でやや下がりました。
「借地?借家で構(gòu)わない（または望ましい）」と答えた方は15.5％でした。前回調(diào)査で21.8％ でしたので、こちらも少し下がりました。
一方、「分からない」と答えた方が前回4.3％から14.5％と急増しました。これはコロナ禍による意識(shí)の変化が考えられますが、今回初めて郵送調(diào)査となり、通常の対面調(diào)査ではなかったことも影響しているのかもしれません。
調(diào)査開(kāi)始からの傾向としては、持ち家志向の方は、平成23年度では80％臺(tái)をキープしていま したが、平成24年度以降は70％臺(tái)になり、ここ數(shù)年は73～74％前後でしたから、この10年で6 ポイント程度下がったことになります。

図1：所有と賃貸の志向

（注）「建物を所有していれば、土地は借地でも構(gòu)わない、または望ましい」、「借家（賃貸住宅）で構(gòu)わない、または望ましい」は、それぞれ、 平成30年度調(diào)査までは「建物を所有していれば、土地は借地でも構(gòu)わない」、「借家（賃貸住宅）で構(gòu)わない」として質(zhì)問(wèn)した。
國(guó)土交通省　令和2年度「土地問(wèn)題に関する國(guó)民の意識(shí)調(diào)査」より

これは、総務(wù)省が5年に1度調(diào)査?公表する、 「住宅?土地統(tǒng)計(jì)調(diào)査」の中にある、「持ち家住宅率」での比率低下（図2）と、調(diào)査方法や 調(diào)査內(nèi)容は違いますが傾向は同じです。年代別（30代、40代、50代）の平成5年と平成30年調(diào)査を比較すると、10ポイント前後低下していることと合致しています。

また、政令指定都市では、「土地＋建物を所有したい」と答えた方は61.6％で、都市部での持 ち家志向の低下がうかがえます。
大都市圏では、15％前後の方が、賃貸住宅で構(gòu)わない（または望ましい）と答えており、その 割合は増加傾向にあります。

図2：世帯主の年齢別　持ち家比率の推移

総務(wù)省統(tǒng)計(jì)局「住宅?土地統(tǒng)計(jì)調(diào)査」より作成

賃貸住宅居住者では新築へのこだわりは少ない

「所有か賃貸か」と同じく、「新築住宅か既存住宅（中古）か？」という議論もよく話題に上ります。こちらも本調(diào)査で回答を得ています。「あなたが所有したいと思う住宅は、新築ですか、既存住宅ですか」という項(xiàng)目では、48.6％が新築、どちらでもよいが38.7％、既存住宅は7.9％でした。（図3）

図3：新築住宅か、既存住宅か

（注）「既存住宅」は、令和元年度調(diào)査までは「中古住宅」として質(zhì)問(wèn)した。
（注）対象は図１で「土地?建物を両方とも所有したい」「建物を所有していれば、土地は借地でも構(gòu)わない」と答えたもの
國(guó)土交通省「令和2 年度「土地問(wèn)題に関する國(guó)民の意識(shí)調(diào)査の概要について」」より作成

「 この項(xiàng)目は平成23年度から追加され、當(dāng)時(shí)の新築希望は63.3％でしたが、現(xiàn)在は「新築住宅に対するこだわり」は減っているようです。これは、特に新築マンションの価格が高騰していることも一因かもしれません。
「現(xiàn)在の居住形態(tài)」ごとに比較すると、現(xiàn)在賃貸住宅に住む方は、新築住宅がよいと答えた方が39.8％、どちらでもよいが47.2％となっています。（図4）

図4：新築住宅か、既存住宅か（住居形態(tài)別）

注）対象は図１で「土地?建物を両方とも所有したい」「建物を所有していれば、土地は借地でも構(gòu)わない」と答えたもの
國(guó)土交通省「令和2 年度「土地問(wèn)題に関する國(guó)民の意識(shí)調(diào)査の概要について」」より作成

現(xiàn)在持ち家の方の場(chǎng)合は、それぞれ49.7％、37.8％です。したがって、新築に対するこだわり は、賃貸住宅にお住まいの方のほうがより少ないという結(jié)果になっています。
さまざまな調(diào)査で浮かび上がっている「賃貸志向の高まり」と「新築に対するこだわりの減少」は、この調(diào)査結(jié)果でもそれが示されているようです。