コラム vol.423相続時(shí)に大切な財(cái)産を守るために。注目を集める信託とは
公開日:2022/09/30
POINT!
?信託契約を活用することで、通常の遺言や後見人制度とは異なるメリットを享受することができる
?大和リビング信託のハイブリッド信託は、商事信託と家族信託の両方の信託を活用する仕組み
?信託の受益者は、益だけではなくリスクを負(fù)う場(chǎng)面もあることを正しく認(rèn)識(shí)しておく必要がある
相続時(shí)の「信託」が注目されている
財(cái)産を相続する際、信託という手法に注目が集まっています。信託とは信じて託すこと。下図のように、AさんがBさんを信頼して、所有する不動(dòng)産などの財(cái)産をBさんに信託譲渡し、Aさんが指定したCさんの利益のために管理?運(yùn)用?売卻などの処理を「信じて託す」ことです。
この信託契約を活用することで、通常の遺言や後見人制度とは異なるメリットを享受することができます。たとえば、Aさんが信託契約しておくことで、Aさんが認(rèn)知癥になってしまったとしても、Bさんは、Cさんのために財(cái)産を活用したり売卻したりすることができます。ただし、大和リビング信託の場(chǎng)合は、代理人が必要になります。
また、お子様がいない夫婦で、先祖代々財(cái)産を受けついできた夫が亡くなり、財(cái)産を相続した妻が亡くなった後、財(cái)産は妻の親族ではなく夫の家系へ戻したい場(chǎng)合にも、信託を活用することで解決できます。
図1:信託の仕組み

大和リビング信託ホームページより
親世代、子世代、それぞれのニーズに応える
信託は、親世代、子世代それぞれのニーズに応えることができます。親世代からのニーズとは、自分が亡くなった後に、お子様がきちんと生活が送れるようにしたいというニーズです。大和リビング信託の三本木氏は、実際にあった相談として次のようなケースがあると言います。
「お子様に障がいがあるなど、將來自立して生活していくのが難しいような場(chǎng)合、収益不動(dòng)産を持つ親が、お子様の安定的な生活資金確保のために信託を利用するケースもあります。
収益不動(dòng)産の管理?運(yùn)営は信託會(huì)社に委託し、利益はお子様に渡るように設(shè)定します。また、お子様が海外にいるなど、近くにいない場(chǎng)合に信託を活用されるケースもあります。お子様が遠(yuǎn)方に行ったままいつ帰ってくるか分からないとき、自分にもしものことがあっても、不動(dòng)産をきちんと管理し、自分の次にお子様がその利益を受けられるようにしてほしいというケースもありました」
また、お子様世代からの視點(diǎn)としては、親に対する心配です。親本人は大丈夫だと言っていても、將來認(rèn)知癥になったり、病に倒れたりするかもしれないと、お子様が心配するケースです。
親が認(rèn)知癥などで判斷能力が低下?喪失すると、預(yù)金や不動(dòng)産などの財(cái)産を家族が自由に活用することができなくなります。こうしたことへの対策として、親が元?dú)荬胜Δ沥诵庞殼位钣盲驐视懁工肴摔瑝埣婴筏皮い毪瑜Δ扦埂?br>
この場(chǎng)合、信託會(huì)社を受託者とする「商事信託」に加え、ご家族様を受託者とする「家族信託」の事例も増えているようです。
成年後見制度、遺言と信託の違い
親が認(rèn)知癥になったとしても、後見人制度を活用すればいいと考える人もいるかもしれません。
しかし、成年後見制度では、家庭裁判所が獨(dú)自に成年後見人を選任するケースが多く、親族が選任されるとは限りません。本人が元?dú)荬胜Δ沥稀⒆苑证我馑激秦?cái)産を自由にできますが、後見人が立ってしまうと、「本人の財(cái)産をなるべく減らさない」ための運(yùn)用が家庭裁判所から指導(dǎo)されるため、本人の財(cái)産は守られますが、ご家族様にお金が渡りにくくなります。家庭裁判所は原則として「本人の生活維持に必要最低限の出費(fèi)?財(cái)産の売卻」しか認(rèn)めないため、家族のためにお金を使うことは、難しくなると考えられます。
遺言は承継先の指定が次の代しかできません。
例えば、子どもがいないケースでは、夫から妻に渡るところまでしか指定できません。そうなると、妻が亡くなったとき、遺言に「自分の後は、夫側(cè)のきょうだいやその子に渡す」と書かないかぎり、財(cái)産は妻側(cè)の親族に渡ります。このようなときに信託を使えば、何代先でも受益権の承継先を決めておくことができますので、妻が亡くなった後も夫側(cè)の家系に財(cái)産を戻すことができます。ただし、信託法により適用期間の制限(信託後30年間)がありますので、注意が必要です。これらが成年後見制度、遺言と信託との大きな違いです。「財(cái)産は自分の家系で代々殘していきたい」あるいは「自分が相続前に意思能力をなくしてしまったとき、不動(dòng)産経営に関してはある程度自由に家族の意思が反映できるようにしたい」というような場(chǎng)合には、信託の方が、自由度が高くなるでしょう。
商事信託と家族信託(民事信託)
「家族信託」や「民事信託」という言葉もよく耳にします。また「商事信託」という信託もありますが、これらはどう違うのでしょうか。
簡(jiǎn)単に言えば、財(cái)産を預(yù)かって管理する人が、信託會(huì)社など専門の會(huì)社であるのが商事信託で、家族や個(gè)人であるのが家族信託(民事信託)です。
信託會(huì)社はオーナー(受益者)または指定された家族(受益者代理人)からの指示がなければ管理?運(yùn)用行為ができないため、安心して財(cái)産を託すことができますし、通常の管理業(yè)務(wù)は信託會(huì)社がすべて行いますので、受益者の手間はほとんどかかりません。
ただし商事信託のデメリットとして、一つの信託會(huì)社で扱える財(cái)産は限られます。信託會(huì)社では、信託銀行のように、現(xiàn)金、有価証券から不動(dòng)産まで、全部の財(cái)産を預(yù)かって運(yùn)用するということはできません。そのため、いろいろな種類の財(cái)産を持っている場(chǎng)合、家族信託と商事信託を組み合わせたり、自身で信託會(huì)社を使い分けたりする必要があります。信託會(huì)社一社だけではなく、他の信託會(huì)社や家族信託、あるいは遺言等を組み合わせることで網(wǎng)羅的な対策になります。
図2:大和リビング信託「不動(dòng)産管理信託の流れ」

大和リビング信託ホームページより
民事信託の一種である家族信託は、家族が受託者になりますから、財(cái)産は何でも扱うことができ、個(gè)人で手続きを進(jìn)めることが可能です。しかし実際は、契約書を作成して公正証書にするなど、複雑な手続きやその後の管理、運(yùn)営、決算書の作成などがありますので、司法書士や弁護(hù)士、稅理士に相談し、サポートを受けながら進(jìn)めていくことになるでしょう。その際、不動(dòng)産財(cái)産が多い場(chǎng)合、受託者として管理するのは大きな負(fù)擔(dān)になることもありますので、専門の信託會(huì)社の活用も検討したほうが良いでしょう。
商事信託は法人で、金融庁の監(jiān)督下に置かれ、免許や登録が必要になりますが、民事信託には監(jiān)督官庁がなく、資格や審査がありません。
そのため、実務(wù)経験の少ない擔(dān)當(dāng)者に依頼してしまった場(chǎng)合、スムーズな運(yùn)用ができなくなってしまうこともあります。ですから、信頼できるパートナーを選ぶことがとても重要です。
商事信託と家族信託のハイブリッド
大和リビング信託では、商事信託と家族信託の両方の信託を活用する仕組みをハイブリッド信託と呼び、お客様により良いソリューションとなるように設(shè)計(jì)しています。大和リビング信託の三本木氏は、ハイブリッド信託について次のように紹介します。
「當(dāng)社では、家族信託と商事信託のハイブリッドを提唱しています。例えば、お客様が認(rèn)知癥になってしまった場(chǎng)合、賃貸住宅経営そのものは代理人の方の指示で回していくことができますが、その賃貸住宅経営から上がってくる利益は、原則として本人にしか渡すことができません。ところが、認(rèn)知癥になっている方の口座にお金を送っても、そこから先に動(dòng)かせなくなってしまいます。それを避けるため、本人が元?dú)荬胜Δ沥恕⒓易逍庞殼强谧蜃鳏辘蓼埂@à小⒏赣Hのお金であっても、口座は息子が管理し、受益者を父親にすれば、その口座に信託會(huì)社が不動(dòng)産の配當(dāng)を送り、家族信託の受託者である息子がそれを受け取って、生活費(fèi)、介護(hù)費(fèi)用、施設(shè)の入所費(fèi)用など、父親のために使うことができます。家族信託と商事信託が補(bǔ)完関係となり、ご家族にとって使い勝手のいい信託になるような提案もいたします」
一つの信託ですべての財(cái)産を管理することはできないことを踏まえ、様々な方法を組み合わせることが望ましいと言えますので、さらに次のように提案しています。
「財(cái)産によっては、任意後見人を立てたり、金融財(cái)産であれば遺言書を書くことをおすすめしています。當(dāng)社にご相談いただければ、その方にとってのより良いプランニングをご提案します。不動(dòng)産管理信託は一つの手法であり、それですべて解決するというものではありません。お客様目線に立って考えることを心掛けています」
賃貸住宅の新築や建て替え時(shí)に、信託を組み合わせた相続対策も有効
大和リビング信託は不動(dòng)産の管理を中心に行う信託會(huì)社のため、賃貸住宅やマンションを経営されている方やこれから建築を計(jì)畫されている人にとって利便性の高い信託と言えるでしょう。
賃貸住宅の新築+信託、あるいは、賃貸住宅の建て替え+信託の組み合わせは、相続時(shí)の有効な手立てになりそうです。建築中に認(rèn)知癥になることもあるでしょうし、相続が起こる可能性もあります。そのようなとき、信託があれば安心して次世代への承継もできますので、信託の活用を検討する価値はありそうです。信託だけでは相続対策にはなりませんが、遊休地の活用などで建築施設(shè)を建てることによる相続対策も可能です。
また、大和リビング信託は大和ハウスグループの一員であり、賃貸住宅やマンションの施工から管理まで、ワンストップで窓口対応が可能です。
現(xiàn)在の建物が老朽化したから建て替えたい、あるいは新たに賃貸住宅経営を始めたい、新築で施設(shè)を建築したいなど、新しくチャレンジしたい方々にとって、信託契約を組み込んだ賃貸経営の新たな枠組みは、検討に値するソリューションでしょう。
信託を利用するうえで気を付けておきたいこと
このようにメリットが多い相続時(shí)の信託の活用ですが、注意すべき點(diǎn)もあります。特に不動(dòng)産や有価証券を信託契約した場(chǎng)合の代表的な點(diǎn)として、リスクがあるということです。
「受益者」とは利益を受ける者と書くため、得するだけと理解しがちですが、実は「損も得も両方持ってもらう」というのが受益者です。値上がりも値下がりもあります。
不動(dòng)産賃貸の場(chǎng)合、災(zāi)害による被害や周辺環(huán)境の変化による空室リスクの可能性があります。
その場(chǎng)合でもローンを組んでいれば返済しなければなりません。ですから、受益者は、益だけではなくリスクを負(fù)う場(chǎng)面もあることを正しく認(rèn)識(shí)しておく必要があります。
何よりも重要なことは、相続財(cái)産を保有する人は、まず「自分の財(cái)産を?qū)怼ⅳ嗓Δ筏郡い韦工蚩激à毪长趣坤取⑷灸臼悉涎预い蓼埂?/p>
「どのような財(cái)産をお持ちなのかは客観的に評(píng)価できますが、重要なことは、お客様がその財(cái)産をどうしたいかという思いです。もちろん、疑問點(diǎn)や不安な點(diǎn)は、信託會(huì)社に問い合わせていただき、対話を重ねることで、少しずつ明確になっていくケースもあるでしょう。そして、その思いに応えるためにはどうするかが、私たちからのソリューションでなければならないと思っています」
相続財(cái)産を整理し、その財(cái)産をどのように活用し、子どもや孫の世代までどのように遺しておくことが理想なのかを考えておくことで、自分に合った提案を受けることができるでしょう。
取材協(xié)力:大和リビング信託株式會(huì)社 営業(yè)部長(zhǎng) 三本木 芳彥氏







