犬と暮らす家がつくりたい!
ようやく家のプランが見えてきた。満足はしているが、犬が快適に暮らせるというポイントで、もしかすると見落としているところがあるかもしれない。そこで今回は、犬と日ごろから接している獣醫(yī)師さんの意見を伺ってみることに。ご協(xié)力してくださったのは橫浜山手犬貓醫(yī)療センターの病院長、上田一徳先生。さて、どんな話が聞けるだろうか。

左から、橫浜山手犬貓醫(yī)療センター病院長上田一徳先生、福助、大吉、穴澤

犬の事故、室內(nèi)で一番多いのは?

住宅プランをチェックしてもらう前に、まずは犬にとって室內(nèi)でどういう場所が危険なのか、室內(nèi)で起きる犬のケガについて聞いてみた。
室內(nèi)のケガでいうと落下が、受診例だと圧倒的に小型犬が多いですね。落下もテーブルなど高いところから落ちる、自分で飛び降りる、飼い主さんが誤って落としてしまうというケースでの診療が多いです。
落下によるケガでも、とくに前足の骨折は多いそうだ。
2才くらいまでは骨もしっかりしていないので、60センチくらいの高さから飛び降りても骨折することがあります。3才くらいになると體もできあがりますし、無茶もしなくなるため、そういうケガはほとんどしなくなります。
階段は気にしなくてもよい!?

一段一段の落差があまりないので、落ちてもだいたい打撲で済むことが多いですね。それよりもイスから飛び降りたりするほうが高さがあるので危ないです。
階段の段差は、だいたい10數(shù)センチ。これがイスだと數(shù)10センチになるので危険度がグッと増すようだ。ここで、今回のプランを見てもらうことに。ずっと気にかけていた床材の問題はどうだろうか。

床材のサンプルを觸りながら、滑り具合を確かめる上田先生
やはり足元がすべる環(huán)境で暮らしていると、関節(jié)や腰を痛める原因にはなると思います。それに落下してしまったときに滑る床なのか、たとえばコルクのような滑らなくて少しクッション性のあるものなのかでもケガの癥狀は変わってくると思いますね。

このコ(福助)も1回著地に失敗して足を痛めたことがある※1
週に一度は「誤飲」の犬が!
萬が一の落下などに備えて、クッション性が高くて滑りにくい床材をセレクトすることは「あり」のようだ。上田先生が言うには、ケガでいえば落下が一番多いが、室內(nèi)の事故という意味では「誤飲」がもっとも多いという。

誤飲にもいくつかあるんですが、まず食べ物を大量に食べてしまうケース。それだけだと80%くらいは下痢をして終わりです(笑)。でも、犬が食べてはいけないもの、たとえばチョコレートやタマネギなどを大量に食べてしまうと、命に関わることもあります。
また、食欲とは関係なく誤飲してしまうケースもあるという。

飼い主さんにかまってほしいという気持ちが強(qiáng)くなりすぎて、たとえばボールやオモチャを飲み込んでしまうケースです。そういった誤飲が原因で、週に一度は病院に來る犬がいますから。誤飲しやすそうなオモチャなどは犬が取り出せないような場所にしまうのがよいですね。
収納スペースやキッチンに入れさせない対策など、これまで課題で出てきたことが集約されてきたような気がする。
プランを見た上田先生は「すごくいい」とひと言! でも…
これまで伺った話を念頭に、上田先生に改めて今回のプランを見てもらった。はたして獣醫(yī)さんの意見は?

全體的にすごくいいと思います。誤飲を防ぐにはいろいろな方法がありますが、キッチンにペットゲートを付けるのはひとつの手段だと思いますし、食べ物以外の誤飲を防ぐためにも収納がたくさんあったほうがいいので。人と犬の動(dòng)線もよさそうですし。ただ、犬がくつろげる場所にひと工夫してあげるといいと思います。
上田先生によれば、本來犬は洞穴のような場所を好むので、犬がくつろぐ場所の天井を低くしてみたり、周囲より少し暗くしてあげるだけでずいぶんと違うらしい。
そして、階段の幅を広くしていることなどは評(píng)価していただいた。

犬(貓)本來の性質(zhì)を考えて、病院の待合室は犬(貓)が落ち著きやすいよう、低い位置は落ち著いた色にしているそうだ
老犬になるとあまり動(dòng)きたがらなくなりますが、私は動(dòng)けるんだったら動(dòng)かしたほうがいいと思っています。でないと筋肉量がどんどん落ちてしまいますから。かといってきつい階段を上り下りさせるのはかわいそうなので、段差のゆるやかな階段はいいと思います。
いぬのきもち編集室eyes
上田先生のお話の中でも「老犬になると動(dòng)きたがらない」という話題が出てきました。いぬのきもちWebの連載「愛犬のすこやかアンチエイジング」では、長壽に必要なポイントとして筋力アップを挙げています。シニア期になると犬の動(dòng)きは若い時(shí)代に比べて鈍くなりますが、段差のゆるやかな階段を上下移動(dòng)させるだけでもトレーニング効果に。ケガの予防だけではなく適度な運(yùn)動(dòng)という面でも、階段の高さの工夫は「犬と暮らす家」のポイントになりそうです。

その頃の大吉と福ちゃんは…

さて、獣醫(yī)師さんのお墨付きをいただいたところで、床材や細(xì)かい部分をそろそろ絞り込まなくては。犬のくつろぎスポットをどうするかという課題も出てきたので、ここも検討ポイントに。そんなわけで、次回はいよいよ內(nèi)裝(インテリア)決めです。
- ※「まちなかジーヴォ」とは
全國の“まちなか”に建つ、地域密著型のオープンハウス。近隣の街並みや、現(xiàn)実的な大きさの土地にあわせて設(shè)計(jì)を行っているので、実際の住まい作りの工夫や考えが注ぎ込まれている。 - ※「いぬのきもち」とは
愛犬との毎日をもっと楽しく、ステキに過ごす為の、雑誌とふろくのセットの生活総合誌です。毎月、直接ご自宅にお屆けいたします。
作者プロフィール

穴澤賢(あなざわまさる)
1971年大阪生まれ。犬貓と酒と音楽と釣りこよなく愛するフリーランスのライター。著書に「ひとりと一匹(小學(xué)館文庫)」、「またね、富士丸。(集英社文庫)」、絵本「明日もいっしょにおきようねー捨て貓でかおのはなし(草思社)」、CDブック「Another Side Of Music(ワーナー?ミュージック?ジャパン)」などがある。
連載:いぬのきもちねこのきもちWEB「穴澤賢の犬のはなし」

大吉(オス?3才)
2011年8月17日生まれ。茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれたミックス。「いつでも里親募集中」というWebサイトを経て穴澤家へ。雷と花火と暴走族が苦手。海も特別好きではない。

福助(オス?1才)
2014年1月11日生まれ(推定)。千葉県の施設(shè)から保護(hù)団體を経て穴澤家へ。保護(hù)される前の経歴は不明のミックス。やんちゃで暴れん坊。大吉のことが大好きで、いつもくっついては大吉にうざがられている。
犬と暮らす家がつくりたい!
はじめに
家を建てる準(zhǔn)備
プランや仕様を決める
- vol.5 チームジーヴォからのプラン提案 ~その1
- vol.6 チームジーヴォからのプラン提案 ~その2
- vol.7 獣醫(yī)師の視點(diǎn)でプランをチェックしてもらおう
- vol.8 內(nèi)裝(インテリア)を決めよう!
建設(shè)中
完成
まとめ










