大手企業(yè)は、なぜBaseMeに集うのか

2025年3月から、2026年卒の就職活動が本格的に始まりました。しかし、4月時點で內(nèi)定率は約6割、半數(shù)以上の學(xué)生が、すでに卒業(yè)後の進路が決まっています。一方、2021年に大學(xué)を卒業(yè)し、新卒で就職した人のうち3年以內(nèi)に離職した人は34.9％※1。必ずしも離職や転職はネガティブなものではありませんが、過去15年間で見るともっとも高い數(shù)値です。

※1：厚生労働省の調(diào)査より。

「就職活動で大切なのは、表面的な條件ではなく、お互いの価値観がマッチするかどうか。そこがズレてしまうと、結(jié)局ミスマッチが起こってしまうんです」。

勝見さんの言葉どおり、BaseMeで企業(yè)名とともに目にとまるのが、「DE&I」や「サステナビリティ」「地方創(chuàng)生?まちづくり」など、各企業(yè)が大切にしている価値観を打ち出している點です。また、BaseMeでは給與や福利厚生などの情報を基本的に掲載していません。これはあえて企業(yè)の"數(shù)字"を強調(diào)せず、學(xué)生が「自分にとって本當(dāng)に大切にしたい要素」を最優(yōu)先に探せるようにするためだと言います。

一方、學(xué)生側(cè)だけではなく企業(yè)側(cè)にも「価値観」のマッチングが求められています。

「就活をする人數(shù)は大體40萬人、そのうちの10萬人がエントリーする企業(yè)もあります。ですが、それは學(xué)生側(cè)からしたら"ただ名前を知っている"という狀態(tài)にすぎません。學(xué)生優(yōu)位の売り手市場な時代だからこそ、企業(yè)は誰でもいいから大量にエントリーしてもらうのではなく、本當(dāng)に欲しい人材に出會う方法を探す必要があるのです」。

一説によると、入社後1年で早期離職してしまった場合に発生する1人あたりの損失額は、新卒採用の場合で657萬円といわれています。

現(xiàn)在、BaseMeの登録者數(shù)は2萬人超、取り扱い企業(yè)はトヨタ自動車やアサヒグループジャパンなどの大企業(yè)やメルカリなどベンチャー企業(yè)をはじめ、125社以上に拡大しています（2024年3月時點）。実際に企業(yè)のエシカル部門やサステナビリティ部門でインターンや內(nèi)定に結(jié)びついた事例も出ています。こうしたユニークなプラットフォームを生み出した背景には勝見さんの幼い頃に感じた原體験が影響していました。

幼少期に見た「付加価値」の生み出し方

勝見さんは、東京都杉並區(qū)、西荻窪で70年続く青果店の家庭に生まれました。そこで見たのは"人"が差別化要因になり、信頼や付加価値を紡いでいく世界でした。

「隣に大手スーパーがあって、正直経営的に苦しい時期もありました。でも実家の事業(yè)を通して『なぜうちのほうが値段は高くても、常連さんがわざわざ買いに來てくれるんだろう』ということに気づいたんです」。

「両親は『この人參は甘いよ』『肉じゃがに入れるならこの野菜もおすすめだよ』とお客様に聲をかけながら接客をしていました。『野菜を売る』というシンプルな営みに、些細(xì)な接客や気遣いで、付加価値を生み出し笑顔をつくっていく。その體験が今の事業(yè)観に大きく影響を及ぼしています」。

勝見さんは學(xué)生時代、自身のアイデンティティや可能性を探すため、インドやバングラデシュ、フィリピンなどを放浪し、貧困や先進國の発展の皺寄せの実態(tài)を知ります。その後、ドイツやアメリカに留學(xué)し、環(huán)境教育プロジェクトやバナナの皮を使った化粧品事業(yè)などに取り組みますが、うまく広がらず壁にぶつかりました。さまざまな経験を積んで日本に帰國した勝見さんは、再び壁にぶつかります。

「もともとは貧困問題や気候変動など、社會課題に取り組む企業(yè)に入りたかったんです。ですが、そんな"情報"を打ち出している企業(yè)はほとんどありませんでした。當(dāng)時、コロナ禍で面接はオンラインばかり。実態(tài)や本気度を直接確かめられる機會もなく……」。

いっそ自分でつくろう。こうして誕生したのが、當(dāng)初は「エシカル就活」という名前で、社會課題の解決やサステナビリティに本気で取り組む企業(yè)と學(xué)生のマッチングに特化したサービスでした。

しかし運営していく中で、「社會課題を解決したい」という思いを紐解くと、実はそこに多様な価値観があることに気づきます。社會を変えたい、人の役に立ちたい、新しい挑戦をしたい──社會課題の解決は、"価値観"が発露した一つの形でした。

「それに、必ずしも社會課題の解決がすべてでなくてもいいんです。『安心して働きたい』『成長したい』など、大事にしたい価値観は多様で當(dāng)たり前。何が問題かというと、そうしたすり合わせができていないことです。就活の時って企業(yè)も學(xué)生も、いいことしか言いませんよね。何を大事にしているのか、深いコミュニケーションが必要なんです」。

幼少期に育まれた「ビジネスを通じて付加価値、その先に幸せを生み出したい」という勝見さん自身の価値観は、2024年2月、さらに幅広い"価値観"を取り込みながら、「BaseMe」へとプロダクトをアップデートしたのです。

採用を変えれば、教育も価値観もすべて変わる

大手企業(yè)の一括採用の取りやめ、ジョブ型雇用の本格導(dǎo)入など、少しずつ就職活動シーンは変化しています。

「日本の"失われた30年"は、実は就活に原因があるんじゃないかと思っているんです。終身雇用が成立していた時代、勉強をしていい大學(xué)、いい企業(yè)に入るのが是である教育がされてきました。一括採用は経済成長中にある製造業(yè)型の働き方には適していましたが、時代は急速に変わり、アメリカでは新卒を採用しない企業(yè)も増えている。スタンフォード大學(xué)の學(xué)位を取っても仕事がないんです。つまり、出口（採用方法）が変わると、教育も価値観も一気に変わります」。

AIやデジタル技術(shù)の進化が著しい今、同じ能力や考え方の人材ばかりを集めても、イノベーションは生まれにくいといわれています。そこで求められるのが「多様な人材?価値観を受け入れられる體制」です。実際、大手企業(yè)では「BaseMe限定のインターン」や「サステナビリティ部門採用」など、明確な目的を持って人材を探し始めています。

また、今後AIの発展によって単純作業(yè)的な事務(wù)業(yè)務(wù)はますます機械に置き換わっていく可能性があります。しかし、そのぶん人間が本來やりたかったこと──社會に貢獻(xiàn)したり、夢やアイデアを形にする仕事を創(chuàng)出しやすい時代になると、勝見さんは見ています。

「これまでの就職活動は、學(xué)歴や企業(yè)の知名度が基準(zhǔn)になりがちでした。ですが、本來は學(xué)生たちの『自分がどう生きたいか』『どんな価値観を大事にしているか』が最優(yōu)先されてほしい」。

そうした多様性を社會に包摂して、企業(yè)を、社會を変えていくことがBaseMeの目的なのかもしれません。

今後は「日本の企業(yè)だけでなく、世界へ展開する可能性も大いにある」とのこと。社內(nèi)のエンジニアチームはグローバル人材を集めるなど、BaseMe自體が"國籍や多様性を當(dāng)たり前に受け入れる土臺"をつくろうとしているそうです。國內(nèi)外を問わず、価値観でつながる就活とキャリア形成が進めば、日本の大學(xué)や企業(yè)文化、ひいては社會全體へのインパクトは計り知れません。