短期的に見ると、男性の幸福度は下がる？

女性の社會進(jìn)出が進(jìn)んでいますが、それが幸福度合いに影響することはあるのでしょうか？

男女雇用機會均等法制定（1985年）以降の女性の働き方と、それに伴う意識の変化に著目して、幸福學(xué)の研究を始めました。最近の研究では、男女格差が大きい國ほど幸福度が低くなりやすいという結(jié)果が出ているんです。

つまり、この結(jié)果に基づくと、性別役割分擔(dān)の意識が強い社會では男女ともに幸福度が低いと考えられます。ただ、そういった狀況から格差を是正する方向に進(jìn)んでいく際、さらに一時的に幸福度が下がる場合があります。例えば、男性がこれまで得てきた社會的地位を女性が得るようになることで、男性のポストが減る。すると、男性の幸福度は下がる可能性が高いわけです。

なるほど、では"一時的な"幸福度の低下ということでしょうか？

はい。変化が進(jìn)んでいく中で、男女ともに幸福度は上がっていくと考えています。

男女がもっと平等に働ける社會になり、意識の変化も伴えば、男性の働き方も柔軟になります。過渡期を過ぎれば、男女ともに幸福度が向上することでしょう。変化の過程でコンフリクトは生じるかもしれませんが、男女ともに働きやすい制度設(shè)計を進(jìn)めることで、よい未來が待っていると思います。

人々の屬性も働き方も多様です。既婚?未婚、共働き?専業(yè)主婦／主夫、子どもの有無、正社員／契約社員／パート?アルバイトなど、さまざまな狀況と幸福度を照らし合わせて考える必要があるでしょう。

ウェルビーイングが"脇"から"中央"に來る未來

「働きやすさ」に向けたハード面の制度設(shè)計は進(jìn)んでいますが、ソフト面の「幸福度」指標(biāo)は今後ますます注目を浴びていくと思います。

今後、日本は中長期的に労働力人口が減っていく狀況にあります。すると企業(yè)は人手不足になり、よりよい條件を提示して、労働者を集める必要がある。すでにウェルビーイングの考え方は注目を浴びていますが、企業(yè)としてウェルビーイングに考慮しているということはプラスに働いていくでしょう。労働者側(cè)もさまざまな選択肢を考えるうえで、これまで以上にウェルビーイングを重視する人が増えると思います。

2010年代から日本の企業(yè)経営においても、社員の健康やウェルビーイングが意識されるように変わってきましたが、まだ日本社會の中では、幸福やウェルビーイングといった指標(biāo)は脇に置かれがちだと思います。アメリカの研究では、幸福度が高い社員のほうが生産性も高いというデータもあります。

また、職場だけではなく家庭內(nèi)においても、家族の幸福を考えることがもちろん大切です。例えば家事分擔(dān)を決める場合でも、どうすればお互いに幸福度が高いのか考えれば、納得のいく分擔(dān)ができるでしょう。

幸福度がより浸透し、活用されるようになっていくと、社會のあり方や人々の考え方が変化していくと思います。