関：
初めに、大和ハウスグループヘの印象やご自身の思いについてお聞かせください。

福本：
勢いと柔軟さを持つ會社だと感じています。スピード感のある事業(yè)展開が強(qiáng)みだからこそ、意思決定にあたっては、私たち社外役員の意見に真摯に耳を傾け、內(nèi)外の壁を設(shè)けることなく、本音で議論がされています。多角的な視點(diǎn)から物事を捉えて、貪欲に取り入れていく意欲と柔軟性が備わっていると思います。前職では、コンプライアンス、リスクマネジメント、サステナビリティの側(cè)面からステークホルダーの意見や要望を経営に取り入れ、価値向上につなげていく役割を擔(dān)ってきました。また海外を含めたグループ全體のコーポレートブランドやサステナビリティ推進(jìn)にも攜わりました。當(dāng)社がグループとしてESG経営をさらに進(jìn)化させ、企業(yè)価値を最大化していくため、これまでの経験や知見を活かしてお役に立っていきたいと思います。

南部：
非常に骨太な成長企業(yè)という印象です。社名の「ハウス」からくるイメージを超越して、総合的?複合的な不動(dòng)産事業(yè)を展開しています。従業(yè)員の當(dāng)事者意識も高く、よい意味で野武士的でコミットメントの高い集団だと感じています。私は約40年にわたり総合商社に従事し、総合都市開発やインフラ分野におけるM&Aにも攜わってきました。そのうち約15年は海外駐在を経験し、多國籍人財(cái)のマネジメントに関する知見もありますので、當(dāng)社の成長戦略に活かしていきたいと考えています。

関：
取締役會のモニタリング機(jī)能強(qiáng)化について、現(xiàn)狀のガバナンス體制への評価をお聞かせください。

福本：
社外取締役が1名加わり7名になったことにより、社內(nèi)外比率が50：50になったことはとても評価しています。専門性の面でも多様性が強(qiáng)化され、當(dāng)社の価値向上に向けた多彩な提言がされています。女性活躍の観點(diǎn)では、やはり社內(nèi)でキャリアを積んだ女性が役員として登用され活躍するようになっていただきたい。重要なのは、中長期の目標(biāo)をここに置いて、採用から育成、キャリア形成、登用までのパイプラインを構(gòu)築し、全社の女性活躍を底上げすることです。先行き不透明な時(shí)代にあって、女性に限らず、多様な屬性の方が能力を最大限に発揮する重要性はより高まっています。

南部：
社外取締役のスキルやバックグラウンドのカバレッジが広くなり、それぞれの専門分野の視點(diǎn)から多様な提言がされています。例えばスキルマトリックスで同じDXに丸がついていても、桑野さんは研究開発と製品開発、マーケティングを中心とする経験が豊富ですし、吉澤さんはコミュニケーションやネットワークに関して、私はあらゆる産業(yè)と社內(nèi)のDXを進(jìn)めてきたという、多様な視點(diǎn)を持つチームとして機(jī)能していると感じています。

関：
グループガバナンスはどのように評価されていますか。

関：
企業(yè)文化やビジネスモデル、競爭優(yōu)位性など、大和ハウスグループの価値創(chuàng)造ストーリーをどのように評価されていらっしゃいますか。また今回の2大本部體制移行に伴う組織再編をどう評価していますか。

福本：
當(dāng)社の成長は、「儲かるからではなく、世の中の役に立つからやる」という創(chuàng)業(yè)以來の精神を徹底して実踐されてきた結(jié)果だと思います。それを可能にしてきたのが、それぞれの持ち場で主體的にチャレンジ精神を発揮する従業(yè)員の力、そして課題を複合的に解決できる事業(yè)ポートフォリオとこれを支える技術(shù)力だと認(rèn)識しています。今回の2大本部制への移行により、各事業(yè)がより有機(jī)的に連攜し、お客さまの要望に対してワンストップでソリューションを提供していくことが可能になると思います。これは、多彩なポートフォリオを持つ當(dāng)社ならではの強(qiáng)みです。

南部：
利他の気持ちを第一に大切にしているのが、素晴らしいと思いますし、當(dāng)社の將來を見るにあたって重要な考え方だと思っています。先般より進(jìn)めているウクライナ難民への住宅提供なども経営層自らが強(qiáng)い利他的意識を有していなければ実現(xiàn)し得ない施策だと見ています。
中でも印象的なのは企業(yè)理念の一つ目の「事業(yè)を通じて人を育てる」という考え方です。継続的に人を育て、事業(yè)を育ててきたことが當(dāng)社の成長につながっており、この考え方はグローバルにも通用するでしょう。それに加え、住宅分野以外にも物流施設(shè)?商業(yè)施設(shè)?データセンター等多彩な事業(yè)ポートフォリオを構(gòu)築することで、住宅市場の変動(dòng)リスクを分散している點(diǎn)も、當(dāng)社の競爭優(yōu)位性を支える重要な強(qiáng)みであると認(rèn)識しています。社名にある「工業(yè)」の由來は、技術(shù)力によって社會に貢獻(xiàn)するという気持ちの表れであり、非常に重要な特徴だと思います。一方で、グローバル展開を進(jìn)めるうえでは、日本発の資本による事業(yè)の意義が常に問われるため、他社との差別化につながる強(qiáng)みを磨き続けることがさらなる成長に必要不可欠だと考えています。

関：
コーポレートガバナンス委員會において、直近ではどのようなテーマで議論されたのでしょうか。

南部：
「激変する世界情勢下での企業(yè)経営戦略」をテーマに挙げた、不確実性をどのように商機(jī)へと転換できるかについての議論です。貿(mào)易不均衡の拡大によって経済格差や不満が高まり、その対応が一國単位では難しくなってきているなかで、この変化をリスクではなく、海外の経営體制の強(qiáng)化を図る契機(jī)として捉えるべきだと提言しました。今後各國が自國中心主義になったとすれば、障壁があるなかで事業(yè)運(yùn)営を行う必要が出てくるため、日本からの統(tǒng)括が難しくなるでしょう。地域ごとに自立したコーポレート機(jī)能を構(gòu)築し、それぞれのエコシステムを維持することが重要になってくると考えています。

関：
海外のグループ會社は各地域の形に合わせたRC（リージョナルコーポレート）の體制ですが、それをさらに深化させていく必要があるということでしょうか。

南部：
RCには法務(wù)、財(cái)務(wù)、會計(jì)、人事、それからバランスシートをどうしているか、効率的な管理手法は何か、本部とはどんな関係で、どこまでの意思決定を本部に確認(rèn)して、どこから任せるのかという細(xì)密なルールが必要になってきます。そういうものを設(shè)計(jì)する人や仕組みが必要です。

関：
南部さんは大手総合商社のメディア?デジタル事業(yè)部門長?CDOとしてDXを推進(jìn)してこられ、デジタル庁の國際データガバナンスアドバイザリー委員會委員も務(wù)めた経験をお持ちです。

南部：
當(dāng)社は、設(shè)計(jì)?施工とお客さまとの関係において、プラットフォームを作っているという點(diǎn)においてはDXが進(jìn)展していると思います。今後は、顧客IDでライフタイムの視點(diǎn)からカスタマージャーニーと向き合っていくプラットフォームができれば、お客さまとの対話のなかで有効なご提案ができるようになります。國や地域によって家の大きさやパターン、ライフスタイルも異なるなかで、データを収集?整理し、活用することで資金を投入すべき場所が見えてくると考えており、そこまで進(jìn)められれば圧倒的な競爭力につながるでしょう。

関：
福本さんは、2025年度に始動(dòng)したサステナビリティ委員會のアドバイザリーに就任されました。當(dāng)社のサステナビリティ経営への評価や期待をお聞かせください。

関：
大手飲料メーカーにおいて水資源に対する理念をコーポレートメッセージとして発信?実踐したご経験をお持ちですが、當(dāng)社の活動(dòng)に対する評価と提言をいただけますか。

福本：
當(dāng)社は、“將來の夢”（パーパス）として「生きる歓びを、未來の景色に。」を掲げています。まず大切なのは社內(nèi)への浸透です。利益を追求するだけでなく、世の中の役に立つことを目指す會社であることは、従業(yè)員の働く歓びや誇りにつながります。パーパス策定のプロセスに全社員が參畫したことは、その第一歩として大変評価できます。パーパスは、お客さまや社會にとっての當(dāng)社の“存在意義”です。今後はパーパスへの共感をさらに深め、グループ全員がそれぞれの持ち場で、何がお客さまにとっての価値になるかに心を砕き、実踐していくことが大切です。
社外とのコミュニケーションにおいても、例えば工場での節(jié)水活動(dòng)を発信するよりも、むしろ水源を守る活動(dòng)を通じて、將來に向けて水資源を豊かにしていく取り組みを知ってもらうことで、お子さまがいらっしゃる方々に強(qiáng)く共感していただくことができます。企業(yè)活動(dòng)をステークホルダーにとっての価値として共有?発信し、“生きる歓び”に貢獻(xiàn)すると感じていただくことで、當(dāng)社への共感の輪が拡がっていきます。

関：
當(dāng)社の役員報(bào)酬では非財(cái)務(wù)評価指標(biāo)が設(shè)定されていますが、現(xiàn)狀の評価や今後についてご意見をお聞かせください。

福本：
7次中計(jì)では、役員報(bào)酬に気候変動(dòng)の指標(biāo)を組み込んでおり、環(huán)境課題に対する経営の目線をあわせ、全社推進(jìn)に貢獻(xiàn)していると思います。8次中計(jì)に向けては、S、Gについても検討が必要だと考えており、なかでも人的資本は成長戦略の基盤です。短期的に成果が出るものではないので、長期目標(biāo)を設(shè)定し、継続して取り組んでいかなければなりません。社是である「事業(yè)を通じて人を育てること」をふまえて、報(bào)酬委員會で議論を深めていきたいと思います。

関：
先般の取締役會でCFOから「資本コストや株価を意識した経営の実現(xiàn)に向けた対応」の要請をふまえた、企業(yè)価値向上に向けた取り組みの推進(jìn)について、認(rèn)識の再共有がありました。現(xiàn)狀評価や今後の課題認(rèn)識について伺います。

南部：
私の好きな言葉に「ハッピーエンプロイーがハッピーサービスを作る」というものがあります。企業(yè)価値は役職員の皆さんが充実して活躍しているからこそ創(chuàng)出できるのだと考えます。お客さまに接し、提案する人自身の人生が充実して幸せでなければ、お客さまの幸せにつながる仕事はできません。また、當(dāng)社のように従業(yè)員のオーナーシップが強(qiáng)いとやり抜く力や考え抜く力にもなります。グループがさらに大きくなっていくときにこうした考え方が欠落しないようにすることが重要です。PBRについては、企業(yè)に対する信頼や安心感と、アップサイドポテンシャルの組み合わせだと思います。お客さまの満足と、グローバルでの成長やリスク管理、私はその観點(diǎn)で経営に問いかけをしていきます。